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銅鐸の祖型
銅鐸は弥生時代に生まれ、弥生時代の内に消えていく日本独自の不思議な青銅製品です。
では、何をヒントに我々のご先祖は銅鐸を造りだしたのか?
その起源についていろいろな説が出されています。
弥生時代前期に相当する朝鮮で小銅鐸が見つかっておりこれが銅鐸の祖型だと言われています。
形状は、日本の小銅鐸とほとんど同じで、鰭はなく紋様もありません。
銅鐸は一番古いものから鰭があり紋様が付けられています。ちょっとギャップが大きすぎて、最初の銅鐸のひな型にしては腑に落ちません。
銅鐸の遠い祖先が小銅鐸だったとして、それはどこから生まれたのでしょう。
中国の周の時代に打楽器として使われた鈕鐘と呼ばれる青銅器とか、馬に付けた馬鐸が先祖では? と言われています。
鈕鐘は内部に舌を持っており、吊り手は逆U字型の鈕があって、構造的には銅鐸によく似ています。ただ、本体(身)に幾つもの突起があって、銅鐸の紋様とは異なるのと、銅鐸には突起委の痕跡がのこされていません。 次節で説明する「形式分類学」から考えると納得がいきません。構造が似ているだけで、先祖というのは躊躇します。
中国の鈕鐘
中国の鈕鐘
中国の鈕鐘
中国 磁器製の鐸
[イラスト:田口一宏]

これとは別に、中国春秋時代の越の貴族の墓(BC470年ころ)から 、日本の銅鐸によく似た磁器の鐸が見つかっており、これが日本に直接伝わった可能性が指摘されています。
やや扁平で逆U字型の鈕が付いています。 それだけではなく、図のように銅鐸の綾杉紋や斜格子紋に似た紋様やS字型の紋様が連なって流水紋状に描かれています。
(図中、・印は不鮮明だが同様の紋様という意味)
構造と言い紋様と言い、これが銅鐸の先祖としては相応しいい感じです。

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